上司・リーダーは否定語を封印すべきです
上司・リーダーの皆様
「否定語を使わないよう意識されていますか?」
否定語は人格否定につながりやすい
「そんなやり方じゃダメだ!」
「同じ事を何度も言わせるな!」
「なんであなただけ出来ないの!」
重い責任を背負い、忙しい毎日を過ごす上司、リーダーの方が思わずこういった厳しい言葉を使われているケースは多いと思います。
ただ、良い結果には繋がらないです。
・相手は「自分の人格が否定された」と受け取る
可能性が高いからです。
「そんなつもりで言ってはいない」と言いたいでしょうが、
・人の脳は理解したいように理解します
・どう理解するかは受けて次第
・否定語は身の危険を知らせるサイン
なんですね。だからこそ言葉を発する時は細心の注意を払う必要があります。
マイナスの思い込みは簡単には修正できない
更に厄介なことに
・ネガティブな記憶の書き換えは難しい
ということです。
人は一度危険な目に会うと、自己防衛本能にその出来事が結びつきます。
「熱いモノは触らない」
「道路に飛び出さない」
こういう行為は無意識に行われます。これは幼少期に危険な体験をしたので、脳が理屈抜きに回避行動を取るべき状況と記憶しているからです。
人格の否定も同じレベルです。
この人は自分の尊厳に悪い影響を与えてくる人だと脳が認識してしまったら、無意識に回避しようとします。
・近づかない
・話しかけない
・本音を言わない
もし上司・リーダーと部下がこんな関係になってしまったら、関係改善には大変な努力と時間を要することになります。
否定語を使うことが多い上司・リーダーは、部下に無意識レベルで「危険人物扱い」されている可能性あります。
無意識レベルの行動パターンを修正するには、とても大きなプラス要素が必要になります。
そして「安全」が保証される必要もあります。
二度とこの人は私を傷つけるような事はしない、という保証です。
否定語は相手に強いマイナス印象を残すので、相手に行動を変えてもらいたい時についつい使ってしまいがちですが、
できるだけ使わない工夫をすることが実は行動を変えてもらう近道です。
未来に向けて対話する意識が大切
どうすればよいか?
・未来に向けて考えてもらう
ということです。どういうことかというと
起きてしまった事にはとやかく言わず、
もっとくうまくできるようになるために、
「どんな工夫ができそうか?」
「どうすれば今より良くなるだろうか?」
と良い方向に進むための選択肢を考えるようにしてもらうということです。
大切なポイントは
・選択肢を持って自分で決めてもらう
という点です。
「次回から必ずこうします」
などとコミットメントさせてしまうと、危険人物に対しては
「無理やり行動を強制させられた」
という理解になるリスクが高いです。
「自分から言ったじゃないか!」
と言いたいでしょうが「人は理解したいように理解する」のです。
そうならないためにも”怒り”を抑えて”冷静”に「これから」について対話をして下さい。
感情をコントロールするコツを掴む
”怒り”の感情を抑えるコツがあります。
・「自分は怒りかけている」と感じたら取る行動を決める
というやり方です。
例えば
・パソコンを閉じる
・水を一口飲む
・腕時計を外す
何でもいいです。自分の中に“怒り”を感じたら、決めた行動を始めて下さい。そして
「私は怒らない」
と心のなかで自分に言い聞かせて下さい。
脳は実は無意識レベルで行動を決めてから、意識レベルの判断に向けて神経に情報を伝達しているようです。
だから、行動を決めておいて、その行動を迷わずに取ることに意味があります。
「パソコンを閉じる」(行動)⇒ 「怒らない」(判断)
この癖を持てば”怒り”をコントロールできるようになっていきます。
今日のまとめです。
・怒りで否定語を使うと人格否定のリスクが高まります
・“怒り”を抑える癖を持ちましょう
・未来に向かって選択肢を持ち自分で行動を決めてもらいましょう
一度嫌われたり、避けられたら大変ですよ。
部下を尊敬し、心が通い合う関係を作ることをお薦めします。
本日も最後までお付き合いいただきまして
「ありがとうございました」