上司は部下の報告内容を分解して成長に生かす
上司・リーダーの皆様
「部下からの報告にどのように向き合っていますか?」
「部下の報告を鵜呑みにしていませんか?」
人は「まとめて」話しをする習慣があります。
何をまとめてしまうかというと
「事実」「解釈」「感情」「評価」などです。
例えば
「部長、すいません。契約もらえませんでした。私のせいです」
こんな「報告」にどう向き合うと良いでしょうか。
分解して理解を深める
まずやっていまうとまずい向き合い方は
「何をやってるんだ!」
「またか、進歩しないなあ!」 等
「聞いて」「感じたこと」をそのまま言葉にすることです。
上司・リーダーは感情で発言してはいけません。
部下の「自信」「やる気」が低下しますよね。
部下の成長や契約成立には結びつきそうにないです。
一方で
「しかたないよ。次がんばってよ」
「気にすんな。みんなそうだよ」
一見良さそうですが、やっぱり成長や契約成立には結びつかないですよね。
部下が「怒られずに済んだ」「部長は優しいなあ」と思って終わりです。
失敗や辛い経験を生かすには、
その報告内容を「細かく分解」して「共通理解」を深めることが必要です。
分解の切り口は
・事実
・解釈
・感情
・判断
・行動
です。上の例では
「契約が未成立になった」(事実)
「すいません」(行動)
「私のせいです」(解釈)
となります。たった1個の事実で部下の能力を評価してはいけないですよね。
具体的にどうするかというと「具体化の問い」を投げかけます。
「その場でどんな事があったの?」(具体化)
そうすると、例えば
「説明が解りにくい、と言われた」(事実)
「30分の予定が15分で終わった」(事実)
などが追加で「事実」が共有できます。
できるだけ多くの「事実」を共有することが最初にやるべき事です。
また「私のせいです」も「問い」で具体化できます。
「自分のせいだと思う理由は何?」
そうすると例えば
「説明が下手だから」(解釈)
「声が小さいから」(解釈)
などが出てくれば、次の手を考える「情報」として役立ちます。
面倒臭いと思われるでしょうが、
・部下の成長のためです
・部の業績向上のためです
時間をかけて「共通理解」を深める「問い」をやってみてください
「変えれる」「捨てれる」モノを見つける
こうして「情報」が増えれば「改善策」を一緒に検討できます。
ここで、大切な事を確認させてください。
上司・リーダーが部下に求めるモノは
・成長すること
だということです。
決して「謝って欲しい」とか「反省して欲しい」わけではないですよね。
悪い報告であっても、成長のために生かして下さい。
さて、部下が今より成長するためには
「変えれるモノ」を見つけ「変える行動」を起こす必要があります。
そこで「共通理解」した「情報」の中から
・「変えれるモノ」を選び
・「どれ」を「どう」変えるか決めてもらう
・そのために「何」をするか「行動」を考えてもらう
のが上司のやることです。
決して「指導」「指示」はしないで下さいね。
今回のケースだと恐らく
「説明の仕方を解りやすくする」ために
「先輩に見てもらい、教えてもらう」
ということになる確率が高いと思います。
「声を大きくする」「緊張しないようにする」という選択肢もありますが、
重要度、難易度から判断しても「説明方法」が良さそうですね。
そして、それ以外のことは
・「捨てて」話題にしない
ようにしてください。
今更「未契約」は「変わらない」です。「謝って」もらってもやっぱり「未契約」です。
部下の成長につながらない「情報」はどんどん「捨てて」下さい
次に進むエネルギーを高める
最後にもうひとつだけ、上司・リーダーがやることがあります。
それは
・部下が次に進むエネルギーを高める
ということです。
部下が「こうします」と言っても、そうならない事はよくあります。
原因は「エネルギー」が足らない、だから踏み出せないのです。
「エネルギー」を高めるための「問いかけ」もちゃんとあります
「やれる気持ちになったかな?」
「他に気になっていることは?」
という「確認の問いかけ」そして
「できるよね」
「やれるよね」
という「コミットメントのための問いかけ」
こうした「問い」を「信頼」と「愛情」を持ってかけて上げて下さい。
きっと少しずつでも成長して「契約成立」が実現するはずです。
今日の結論です
・部下の報告内容を分解して次への「行動」「エネルギー」を引き出す
「報連相」は上司・リーダーのためにあるものではありません。
「報連相」は部下の成長のためにあるものです。
できる上司・リーダーは「報連相」を活用して、
部下の成長につながる「行動」を引き出しています。
部下を一歩前へ進ませてあげて下さい。
今日も最後までお付き合いいただきまして
「ありがとうございました」