職場でのコーチング(上司がすべき質問)
質問
部下や後輩をお持ちの皆様、彼らの「やる気」「行動」を引き出したいですか?
この「やる気」「行動」を引き出すことができる「質問」があります。それもたった2つ
1.将来どんな自分になりたいの?
2.そのために今の職場をどう活用するの?
この2つだけです。絶対に行動に変化が現れますので是非お試しください。
では、なぜ「やる気」「行動」につながるのでしょうか?
1.将来どんな自分になりたいの?
この質問は「ビジョン」つまりは「必ず実現したい夢」を明確に持ってもらうための質問です。
人は実現可能な夢を追うためなら、驚くような努力をすることができます。スポーツの世界などに伝説がありますよね。
・王貞治選手の擦り切れた素振り部屋の畳の話し
・松井秀喜選手の優勝旅行先での深夜の素振り
そして「実現したい夢」は言葉や文字にすることで、行動エネルギーとなりその実現のための行動を継続させてくれます。
小さい時に「将来の夢」を卒業文集に書き示し実現のエネルギーにした人達の話しもあります。
・本田圭佑選手は文集にイタリアで10番を背負う夢を書いていた
・イチロー選手はメジャーで活躍している夢を書いていた
など「必ず実現したい夢」は現状に留まらないための「やる気」と「行動」を引き出すチカラを持っているのです。
だから部下や後輩に問いかけてください。「みんなと同じが良いこと」とされる空気が漂う職場なら、なおさらにこの質問を何度も投げかけてあげて下さい。
一人ひとりが自分の「実現したい夢」を持つ時代になったのですから。
2.そのために今の職場をどう活用するの?
「夢」を持っていても具体的に行動しなければ実現はしません。逆に「行動」するようになると、その過程で「自己成長」を感じることができますので、ますます積極的に「行動」するようになるのが人です。
職場には、よく見てみると実に沢山の仕事があります。自分には関係ないと思っているだけです。
「自分の将来のために生かせる仕事はないか?」
こんな視点で職場を改めて見渡すと、誰にでもひとつやふたつそんな仕事が見つかるはずです。
また、何でも無い単純作業でさえも視点を変えれば将来のために生かせる作業であることは実際にあります。
実例ですが、私がコーチングをしていたクライアントの一人はある企業の支店長秘書でした。
コーチングセッションで共有した「実現したい夢」は
「自分で栽培したコーヒーだけでお客様を感動させるコーヒー専門店を出すこと」
でした。「自分で栽培した」という言葉と「お客様を感動させる」という言葉にこだわりがあったと思います。
このクライアントの仕事を一緒にリスト化してみると、その中に「来客時のお茶出し」がありました。最初はこの仕事が最もやりたくない仕事と言っていました。
でも「自分の将来のために今の職場を生かす」という視点で冷静に見直した結果、そのクライアントは「お茶出し」を最大限に生かすという判断をしました。
きっかけは来客者名簿を見ると、ほとんどのお客様が全国各地から東京のオフィスを訪ねてくる方々だったことに気付いたことでした。
そこで、全国のお茶を集められるだけ集めて、来客者のご当地産のお茶を出すことにしました。
「○○県産のお茶でございます」
「えっ!うちの地元でお茶なんて作ってるんだ。ありがとう」
こんな会話が増え、かなり契約成立にも貢献をしたようです。
私のクライアントは目の前の仕事を生かして「お客様を感動させる」方法を発見しました。仕事を活用したのです。
その後、このクライアントは突然会社を辞めてコーヒー栽培を学ぶため海外に行ってしまいました。
現在は音信不通なのでちょっと心配ですが、「実現したい夢」に向けて「行動」している姿は輝いていました。
「2つの質問」で「やる気」と「行動」を引き出すことは可能なんです。
職場でのコーチングセッション
さて、それではこの「2つの質問」をどんな場面で使うと良いのでしょうか?
・職場でのコーチングセッション
に活用することをお薦めします。もちろん「やり方」には注意が必要ですが「職場でコーチングセッション」をやるならば、この「2つ質問」で「自分の将来」について考えてもらうためだけのセッションにするとうまくいきます。
「職場でのコーチングセッション」を成功させるためのポイントは以下の通りです
1.何のためのセッションかを合意する
2.お互いの役割りを合意する
3.毎回同じテーマで継続する
この3つを守れば「職場でのコーチングセッション」は驚くような効果をもたらしてくれます。
1.何のためのセッションか合意する
これは極めて重要です。部下は最初は上司との面談だと思い込んでいます。「評価」や「業務遂行上の課題」を指摘されるというイメージを持っていますので、この思い込みを解消してあげてください
「コーチングセッションの目的は、あなたが手に入れたい将来を手に入れる方法を考えてもらうこと」
この一言が大切です。何度でもお伝えしますが
・コーチングはクライアントのために行うものです
たとえ職場でも変わりません。通常の「面談」とは全く別物であることをお互いに共通理解することがスタートです
2.お互いの役割りを合意する
コーチングセッションでの上司であるあなたの役割りは「コーチ」です。クライアントである部下の「夢の実現」を支援する支援者です。そして「聞き役」ですから「聞く」ことに徹して下さい。
部下は「夢の実現」のために考えて行動し続ける人です。どう考えて、どんな行動をするかはクライアントが決めることです。
自分で考えて自分で行動する、という役割りをしっかり理解してもらってください
コーチングセッションの時だけはこの関係であり「役割り」であることを徹底的に共有してください。
3.毎回同じテーマで継続する
多くの場合、部下は「実現したい夢」を明確に持ってはいません。
なので、最初の内はセッションの度に「実現したい夢」が何であるかについての対話を繰り返す可能性が高いです。
ここで大切なのは、部下が自分で「実現したい夢」を明確にして、そのために仕事を生かす行動を取るようになるまで、何度も同じ「質問」し続けることです。
1.将来どんな自分になりたいの?
2.そのために今の職場をどう活用するの?
この「2つの質問」を毎回し続けてください。するとある日、部下の目が輝き始めます。部下の発する声に力強さが加わります。身振り手振りが大きくなる人もいるかもしれません。
明らかに変化が現れます。こうなれば、あとは部下にお任せです。
「やる気」と「行動」が引き出された状態だと、自発的な行動の量が圧倒的に増えるからです。
・これからの職場は将来の夢を実現するための成長の場です
・リーダーの使命は部下の成長を支援することです
「2つの質問」を続けることで部下は驚くような成長を遂げ、職場を愛するようになります。
トライし続けてください。