上司だから当たり前はダメ(報告編)
「報告」の目的は何ですか?
突然ですが、上司という立場の皆様にこの質問をさせていただきたいです。
そもそも職場にある部下からの「報告」という仕事は何のためにあるのでしょうか?
上司に報告するのは「当たり前」だからですか?
それって仕事をする「目的」ですか?
これらの問いに明確に答えることができ、部下とも共有できているなら、あなたは理想の上司です。
目的が共有できていない仕事だらけ
会社の中にある業務を見てみると「目的」が理解できない仕事がいっぱいありませんか?
・何で必要か判らない報告書
・何に使われる判らない提出書類
・なぜ作成するか判らない会議資料
・何のためにするか判らない社内アンケート
など、たくさん「目的」が判らない仕事があるのではないでしょうか。
・職場のストレスは「目的」の判らない仕事が原因です
なぜなら
それでも人はその仕事をやってしまうからです「これも仕事だから」という理由だけで。
心の中で「疑問」や「不満」を感じながらやる仕事、そこにはいくつかの「やる理由」があります
部下はなぜ「報告」するのでしょうか?
「目的」が判らない仕事のひとつである部下から上司への「報告」
部下が「報告」する本当の理由は
1.業務内容の進捗を上司と共有するため
2.後で「聞いていない」と言われないためのリスク回避
3.怒られないため
4.やるのが「当たり前」だから
だいたいこんな理由です。
「1.業務内容の進捗を上司と共有する」ために「報告」する部下ばかりであれば何も問題はありません。
2~4が理由の「報告」では上司が何かを判断したり意思決定するのには役立たたい「報告」です。
別途、部下を呼んで詳細に質問をすることになり、部下からすれば二度手間となります。
でも「習慣化」は恐ろしいです。
「とりあえず報告」「上司に呼ばれたら詳しく報告」という二度手間が当たり前に行われ続けます。
心の中ではお互いに「面倒くさいなあ」と思いながら。
「報告」で部下の「やる気」は引き出せる
実は良い「報告」の仕方があります。
しかも、その「報告」が定着すると、部下の「やる気」「主体性」を引き出せます。
それは「報告要素」決めて、全員で共有することです。
必要な「報告要素」は以下の通りです
1.業務のタイトル
2.日時・場所・参加者
3.自分が参加した目的
4.結果
5.今後対処すべき事
6.所感
この6要素を、この順番通りに「報告」してもらいます。
上司として知りたい最低限の要素は1~5で満たされているはずです。
そして「やる気」を引き出す要素が「所感」です。
・あなたはその業務についてどんな考えや意見を持っているのか?
ここをしっかりと毎回聞かれると、部下は業務に参加する前から
「所感をこう話したいからこんな関わり方をしよう」
と作戦を立てて業務に取り組むようになります。
また、そうなるように積極的に行動をします。
こうやって「やる気」と「主体性」が引き出さられます。
本当にたったこれだけで、驚くくらい「やる気」と「主体性」が引き出せます。
「報告」が「目的」のある業務になるはずです。
「報告の目的」
1.部下が自分の考えを持ち行動できるようにするため
2.その考えを上司と共有するため
「A4一枚報告書」をお薦めします
この「報告」を「習慣化」する良い方法がります。
・A4一枚報告書
です。先ほどの6要素が章立てされたテンプレートを用意するだけです。
そして部下全員と「目的」と「ルール」を共有します。
お薦めの「ルール」があります
1.全員同じ書式・章立てで報告書を作成する
2.必ずA4一枚以内
3.上司を含め全員にメールで報告する
4.保存場所を決め全てをそこに保存する
5.上司は必ず部下にリアクションをする
こうすることで、部下が「報告」をする時に「やり方」を考える必要がなくなります。
上司としても「報告」を理解するのが楽になります。全員が同じ手順で「報告」するからです。
他のメンバーも誰がどんな書き方をしているか、そしてどんな仕事をしているかを共通理解できます。
A4一枚ですから、それほど作成する側も読む側も時間を取られません。
ただ、実際には部下が「物凄く考える」ことになります。
1.A4一枚だと何を報告すべきなのか?
2.所感にどんな事を書くべきか?
ダラダラと状況説明ばかりが「報告」されることがなくなります。
「何がどうなったか」
「次にどうしたいか」
こういう「報告」が定着するようになります。
あとは上司として、
・必ずリアクションをして「承認(事実を認める)」する
ことを忘れずにするだけです。
「あなたの仕事の内容を理解しました」
「あなたが次にどうしたいかを理解しました」
こういうメッセージを返してあげて下さい。
メールの良さは「履歴」に残せることです。部下は好きなタイミングで読めますので、忙しくてお互いに話す時間が取れなかった、という事態を回避できます。
もちろん直接対話の方が良いと思いますので、可能な限り部下の席まで行って「報告」について対話をしてあげるようにしてあげて下さい。
「上司に報告するのは当たり前という考えの報告は職場のストレスです」
「目的を持ってする報告は部下が成長する報告です」
「報告の目的とルールを全員で共有すると組織力が高まります」
「上司からのリアクションで部下の『やる気』が高まります」
目的のある「報告」で良い職場をお作りください。