「スピード感」という言葉嫌いです(意思決定)
「スピード感」という言葉が嫌いです。
何のために「スピード」を上げるの
・「何のために『スピード感』を持つのでしょうか?」
変化が激しく、競争も厳しい時代。
何事も「最初」に実行することが大事だという事は理解します。
でも、やっぱり解りません。
・「何に対して『スピード感』を持つべきなのですか?」
・「誰が『スピード感』を持つべきなんですか?」

意思決定のスピードを上げずに業務のスピードアップを指示するのはブラックです
日々、溢れれるような業務を背負って悪戦苦闘している人が聞いたら
「簡単に言うな」
と激怒すると思います。
きっと本来「スピード感」を持つべき人が、自分の事を棚上げにして、間違って使っている言葉なんです。
誰が「スピード」を上げるべきなの
企業として競争に勝つために「アウトプット」までの時間を早める。
これは立派な戦略です。
問題は、その実現のために
・「誰が」
・「何の」
・スピードを上げる
かだと思います。ここが大切なポイントです。
私の結論は
・「経営者」「経営陣」が
・「意思決定」の
・スピードを上げる
です。「アウトプット」に期限があるなら「意思決定」を早めれば、その分現場の人達に十分な準備の時間を提供できるはずです。
なのに「決まった会議体を通せ」「情報が足りない」「資料が揃っていない」と「スピード」が上がらない原因を経営陣が作っているのが現実です。
コンプライアンという言葉を自己保身の武器にしている経営陣て意外と多いです。
決裁書になかなか捺印しない人がその類の人だと思われます。
自分達に「責任」が及んでこないように「会社を守るためだ」と言う。
そして自分達は「今までどおり」に仕事をし、現場にだけ「今まで以上」の成果を求める。
・残業が増えて当たり前です
・辞める社員が出て当たり前です
「指示」「命令」したり「方針」だと言って、全てを現場に託す依存型経営をするなら「スピード」を求めないでもらいたいです。
「スピード」を上げるとはどういうことか?
そのお手本を自ら示せる経営者、経営陣だけに使ってもらいたい言葉です。
リスクを取れる人だけが使うべき言葉
では、お手本を示す人達は何をできる人なのか
・リスクを取って意思決定をする
・結果責任を全てとる覚悟を示す
こんな人達です。
最近の出来事でいうと
三菱自動車との提携を決めた日産自動車のカルロス・ゴーン社長。
燃費不正発表から一ヶ月足らずの間に、必要な会議体を開き社内合意を得て発表までたどり着いています。
記者会見もゴーン社長自らが全て行い、マスコミにも出演して説明をしていました。
「世界ナンバーワン」の自動車メーカーのトップになりたい夢を実現するために、リスクを取って意思決定をしていますよね。
あの「スピード感」をいつも見ている日産自動車の社員さんは、きっと「スピード感」の意味を理解していると思います。
一方で、日本を代表する家電メーカーは、何処から支援を受けるかについて延々と結論を先延ばしにした結果、支援先から経営者を受け入れる事態になりました。
リストラ策の発表だけは速かったですね。
従業員の方が気の毒です。
東京都の知事さんも「辞任」という「リスク回避」をするために、お手盛り弁護士に調査を短期間でするよう依頼するという「間違ったスピード感」を発揮して、どんどん自分を窮地に追い込んでいます。
「意思決定」をしないで早く何とかして現状に幕引きをしよう、という「無責任型スピード感」を見せています。
もう一度言わせていただきます。
早く良い結果が出て欲しければ、
・リスクを取って意思決定を速める
・結果について全責任を取る覚悟を示す
・現場に負担をしいらない
この3つをしっかりと実行してもらいたいです。
その覚悟と行動ができない人達から「スピード感」という言葉は聞きたくないです。
・スピードはリスクと責任を伴う
覚悟を持って使いたい言葉ですね。