顧客視点は学ぶだけでは足りない
本物
ゴールデンウィークは学生街が穴場で、激ウマで格安の食堂が静かに営業していたりします。
そんな感じの食堂で衝撃の出会いがありました。
ひっそりとした都内の学生食堂で大好物の”スタミナ定食”を注文した時に
「本物」
が現れました。ベテランの女将さんと言える女性が突然話仕掛けてきました
「兄ちゃんは学生じゃないなあ」
「はい」
「ここの”普通”は量が多いから減らそうか?」
「はい、よろしく」
初めての経験だったので、不思議な気分で料理の到着を待ちました。
チラッと少し離れた席で食べてる人の様子を見ると、”おかずてんこ盛り””ご飯大盛り”状態でした。あれはムリ。
結果は”おかずの量””ご飯の量”ともピッタリで、味は言うことなしで大満足でした。
衝撃は更に続きます。お会計の時
「量減らしたから100円引いて550円」
「えーーーー!550円」
「そりゃそや。食べてない分のお金はもらえんからなあ」
そして、女将さんは初めてニコッと笑いました
これこそが
”顧客の立場に立つ本物”
だと強烈に思い知らされました。
テクニックより信念
その日は空いていたので、思わず聞いてしまいました
「いつもそうなんですか?」
すると、女将さんは真剣な表情で
「当たり前や。人によって食べる量は違うやろ!」
「残したらお互いに気分悪いし農家の人にも申し訳ないし」
当たり前ですが、この女将さんが大学や専門機関などでマーケティングを学んだはずがありません。
自分の経験の中で考えてトライして確信を得て、信じて続けて来たんだと思います。
人に教わるのも大事だけど、
「何が正しいと思うかを自分で考え」
「実践をしながら検証し」
「正しいと確信を得たらひたすら続ける」
という自分を信じるチカラのすごさ、大切さを痛感しました。
ちゃんと、お客さんと向き合って、お客さんをよく観察して、お客さんの声を大切にしたら、マーケティングなんて知らなくても何年もひとつの商売を続けられるんですね。
キーワード
お客様から信頼を得て、長く商売を続けるポイントのキーワードを考えてみました
①お客様一人ひとりを良く見る
②お客様一人ひとりの立場で考える
③商品やサービスに信念を持つ
④続ける
かっこいい調査データで
「何割の人が買いたいと言った」
などというお客様を直接見ていない状態で、本当に喜んでもらえる商売はできない気がします。
現場でお客様一人ひとりと直接向き合う。そこど感じたことを信念として実行し続けると、同じようなお客様が集まってきて愛してくれて長く商売が続く。
確かにあの”学生街の食堂”が高級グルメ好きのセレブを喜ばせることは無いでしょう。でも来てもらいたい”学生”や”学生的な食事がしたいおやじ”は集まるし、リピートします(自分もまた必ず行きます)
これが正解なんでしょうね。
「相思相愛の関係を作る」
この割り切り方をしっかりと食堂の女将さんから学びたいと思いました。