上司は不機嫌になってはいけません
上司・リーダーの皆様
「職場で不機嫌になることありますか?」
「ある」とお答えされた皆様に向けて、
簡単じゃないと判っていて
あえて言わせていただきます。
「いつも上機嫌でいてください」
それには理由があります。
・「不機嫌」だと失うものが大きすぎるからです。
・「不機嫌」だと部下に迷惑を掛けることになるからです。
不機嫌になる人の特徴
まず、不機嫌になる人とはどんな人でしょうか?
精神科医・西多昌規氏は著書である『職場にいる不機嫌な人達』の中で
不機嫌な人とは、自分に自信がなく他人に甘えている人
と表現しています。なるほどですね。
”自分に自信がない”ということは
・自己肯定感が低い
・自己評価が低い
人ということです。
「自己肯定感」とは
今の自分をどの程度認めているか?という感じ方です。
「想定通りの自分」か「想定とは全然違う自分」かという感じ方。
わりと漠然とした「自分に対する自信」のようなものです。
現状の自分を「肯定的」に捉えているか「否定的」に捉えているかという感じ方もできます。
「自己評価」はまさに「自分による自分の評価」です。
具体的な行動や発言に対して行う「自己評価」です。
「あの時、何も言えなかった自分は発言力が無い」
「あの一言が会議をまとめた。自分の発言力は優れている」
こんな具体的な「過去の行動や発言」に対する自分の評価となります。
「自己肯定感」「自己評価」が両方低い上司・リーダーがどうなるか想像できますよね。
”イライラ”して”不機嫌”そうな表情がイメージできます。
続いて”他人に甘えている”とはどういうことか?
・甘えられる人を見つけてその人に依存する
ことです。職場で上司が甘えられる人は誰か?
・立場と権力で優位に立てる相手、つまり部下です
つまり、職場で不機嫌な上司とは
・自分に自信が無く、行動する勇気もないのに
・部下に偉そうにして立派だと思われたい
こんな特徴を持った人です。
こんな上司にはなりたくないですよね。
西多昌規氏は先述の著書の中でこんな言葉を使う人達だと、その特徴を表現しています。
「あの人は~すべき」「あの人は~するはず」と他人に期待し過ぎる人
自分の弱さと実力不足を棚に上げて、勝手に他人を当てにして、中々思い通りにならないので勝手に“イライラ”している人ということです。
不機嫌で失うもの
このような「不機嫌な上司」はどんな損をするでしょうか?
・部下からの信用を失う
・部下から抵抗される
・部下が指示待ち状態になる
・チームの目標が達成できない
・ますます自分に自信がなくなる
等など、何も良い事は起きません。
ですが、ついつい「不機嫌」になってしまいますよね。
毎日忙しく、色んな事が起きますから。
そこで「不機嫌」にならない方法を知り、損しないようにしましょう
上機嫌になる方法
「不機嫌」にならない方法、というより「上機嫌」になる方法としては
・人の不機嫌に感染しない
・他人に期待しすぎない
・当たり前の事など無いと思う
というの意識を持つようにすることです。
・相手がどんなんに「不機嫌」でも、心を穏やかにして冷静に対処しましょう。
・部下が「~~するはず」などと勝手に期待せず、言葉できちんと「依頼」しましょう。
・自分と他人は違います。「当たり前」のことなど無いと思うようにしましょう。
たった3つの方法ですが、毎日意識していると、ある日「上機嫌」な自分に気付きます。
最初は意識できなかったり、効果を感じないかもしれませんが、どうか続けて下さい。
上機嫌で手に入るもの
職場で意識して「上機嫌」でいれるようになると得をします。
・部下からの信頼が高まる
・部下が自分の依頼を受け入れてくれる
・裏切られた感に襲われない
・部下の主体性が高まる
・信頼したり感謝できる自分になれる
・チームの目標が達成される
「自分の機嫌」をコントロールするだけで、こんなにも良い事が起きます。
だからと言って、部下を甘やかしたり、見過ごすのとは違いますのでご注意ください。
よくない行動や発言を見たり、聞いたりした時は、
笑顔で、軽やかに、短い言葉で問題点や課題だけを指摘してください。
部下の「人格」やその場の「感情」には触れないようにします。
そうすれば
きっと部下は素直に「改善」してくれると思います。
とっておきのコツ
最後に「上機嫌」でいるためのコツを共有させてください
西多昌規氏は著書の中で
関心の幅を広げる
ことを推奨しています。
世の中の出来事に感心を持ち、いろんな話題で会話に参加できる準備をする。
少し限定的な言い方にすると
若い部下との会話で、ある程度話題についていけるように、いろいろな事に感心を持つということです。
AKB48、嵐、きゃりーぱみゅぱみゅ、りゅうちぇる、
ついていけてますか?
要は自分が「孤立」しないように工夫をすることが大事なんですね。
藤沢久美さんも著書『最高のリーダーは何もしない』の中で
「リーダーは嫌われ役」を信じてはいけない。(中略)本当に大きな仕事を成し遂げるリーダーは敵をつくらないようにしているし、それ以前に、まわりの人に対する愛情や感謝を忘れない
と言っています。
沢山の成功した経営者にインタビューし続けた藤沢久美さんが、成功している経営者の共通点とし見出した原理原則ですから説得力があります。
「不機嫌」になったり「嫌われて」いいはずが無いと思います。
たとえ職場でも同じです。
どんな立場でも同じです。
「上機嫌」で「愛される」人になるために日々工夫をしましょう。
きっとそのほうが「幸せな人生」を手に入れられるはずですから。