職場でのコーチング(座る位置を生かす)

座る位置の持つ意味

毎度同じ入り方で恐縮ですが

「職場へのコーチング導入には工夫が必要です」

なぜなら、部下はコーチングを望んでないし、かなりの高い確率でコーチングを知らないからです。

でも

「職場でのコーチングは100%有効です」

さて、今日お届けするのは

「座る位置を工夫するコーチング」

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、人と人が対話をする時に、どんな位置関係で座るかによって、話の内容や結論に違いがでることがあります。これを生かしてコーチングするという考えでえす。

例えば

・討論するなら正面で向き合う

・ビジョンを語るなら横並びになる

・相談事の時は斜め45度に座る

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座る位置関係を生かすとより良い結果を引き出せる

など、何が目的かによって、座る位置の関係を工夫していくということで、コーチング的に表現すると”対話の環境を整える”あるいは”セッティングをする”ということです。

日頃、お互いの”座る位置”を意識して対話をされていたりするでしょうか?

この“座る位置”を工夫するだけて、コミュニケーション円滑になったり、より良い結論に到達できたりします。そして、何よりも不要な対立を回避することができますので、是非とも意識して工夫をしてみてください

座る位置を利用する

では、この”座る位置”をどんな場面でどんなふうに工夫すると良いのでしょうか。

・(目標設定の場面)⇒ 横並びに座る

上司と部下が一年間、半年、あるいはもっと先の将来までの個人目標について対話をする機会がある方も多いかと思います。この時は、できれば

「ホワイトボードを正面に、二人横並びに座る」

ことをおすすめします。イメージとしては車の運転席と助手席です。運転手は部下、上司は助手席でナビゲーターという関係を作る感じです。二人で同じ方向を向いていることがとても重要です。そうすることで、協力して同じゴールに向けて進んでいく感覚で対話をすることが可能になります。部下の主体性も引き出せます。

・(会議やミーティング)⇒ 円になるor斜め45度になる

一体一のコーチングセッションを少し離れて、会議やミーティングの場面では”座る位置”が極めて強く議論の結果に影響をするということが言われています。敵に回したくない、あるいは協力してもらいたい人の隣りに座るとよい、ということを聞かれたことがある方も多いのではないでしょうか。

会議は議論をする場です。全員が同じ議題に対して、それぞれ意見を出す、全員の意見を参考にしながら、誰の意見でもない全員での対話の結果として結論を出す。これが会議での議論です。つまり、会議とは、本来は出席者全員が対等な立場で言いたいことを言い合う、人の意見で良いと感じたものはどんどん取り入れる状態にすることですので、できれば円卓に座って、上下の関係が無いと感じられる環境を作ることをおすすめします。少なくとも対立しやすいメンバーを正面に向き合わせないような工夫はしてみてください。変な距離感を生み出す机を使わないで、イスだけで議論するのが本当はとても良いのですが、現実には難しいので、対立を避ける座り方を工夫してください

・(指示・命令)⇒ 正面に向き合う

なぜこのブログで「指示・命令」について扱うのか?と感じられる方もいらっしゃるかとは思いますが、職場には上下の関係は存在します。そして「指示・命令」をすべき時もあります。全てのことをコーチングで行うのは間違いです。場面によって立場や役割りをうまく活用するのが大事なんです。

ではどんな時に「指示・命令」というスタンスを取るかというと、「人事異動の内示」や「個人評価のフィードバック」など、変えることができない決定事項を伝える時です。ここには議論の余地はありませんし、何かを決める議題もありません。こうした決定事項を伝える時には、真正面に部下に座ってもらい、堂々とある意味”上から目線で(上司という立場で)”明快な口調で内容を伝えてあげて下さい。交渉の余地があるかのような誤解を与えるような口調や言葉は絶対にさけてください。

ただし、伝えた内容を素直に部下が受け入れてくれるかどうかは、”座る位置”ではなく”日頃の関係性”によります。正面に座ってもらったら何でも受け入れてくれるとは思わないでくださいね。部下からの抵抗が起きないようにするのは日々の対話によって構築された信頼関係です。事をよりスムーズに進めるために”座る位置”を意識するのであって、問題を解決する手段とするのではありませんので、問題があるなら別の方法で解決をしておいてください。

作戦を立てる

場面別の”座る位置”の工夫についてご紹介をしました。最後にこうした工夫をできるようにするためのコツをお伝えします。

コツとは

「事前にそうなるように準備する」

です。なんじゃそりゃ!と思うかもしれませんが、やってみてください。とても良い方向に進みますよ。

例えば、正論を上から目線で言って場の空気を凍らせるのが得意な部下に対しては、会議の前に

「今日は、あなたに手伝ってもらいたい議題があるから隣りに座って」

と言って、気持よく隣りに座ってもらってみてください。正論を言って自分の存在感と正しさをアピールして満足を得る傾向のある部下が、あなたと会議中に対立しなくなる可能性があります。

例えば、人事異動を伝えるときは

「個室を確保し、正面に向き合うようなセッティングをして部下を呼ぶ」

と良いと思います。自分が望んでいない部署に異動するケースも多いと思います。その状況をできるだけ早く受け入れてもらうために正面から明確な言葉で伝える、というやり方は必ずお役にたてます。

こうしたちょっとした準備でトラブルを回避したり、より良い方向に事を進めることができます。

これも立派な”コーチング”です。

我々プロのコーチは”セッションの場所と座る位置”には物凄くこだわります。そしてクライアントと”合意を交わします”この場所とこの座り方で良いかを。それほどに対話をする際の場所と座る位置は重要なのです。

「座る位置を生かして対話を円滑に進める」

是非とも、お試しください

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