上司だから当たり前はダメ(距離感編)

無許可で踏み込むのは自分都合

部下を持つリーダーの皆様、

部下と対話をする時に、許可もなく部下の領域に入り込み話しを始めていませんか?

「◯◯君、これ急ぎだからコピーよろしく」(部下の机に資料を勝手に置く)

「◯◯君、この仕事頼むよ」(突然、部下の肩を背後から叩き話しかける)

 

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部下の領域に許可無く入ると警戒心を煽るので許可を取りましょう

これは完全な「領空侵犯」「侵略行為」です。部下は防御態勢、あるいは反撃準備に入ります。

こんな時、部下はココロの中でどんな言葉を発しているか想像してみましょう。恐らく

「何だよ、勝手だなあ」

「急に話しかけるなよお」

「近すぎるよ、馴れ馴れしいし」

という感じで、「不満」や「怒り」を感じることが多いでしょう。こんな状態で頼まれた仕事に対して「責任感」や「主体性」が発生することはないです。

「しょうがねえな」

「さっさと片付けてしまおう」

「断る言い訳ないかなあ」

リーダーであるあなたは、このような部下の「気持ち」や「行動」を引き出すために話しかけたわけではないはずです。

なぜこうなるのか?繰り返しますが

「人の領域に許可なく踏み込んだ」

からです。人も動物と同じように自分のテリトリーを持っていると言われています。「パーソナルスペース」という言葉で表現されますが、要は、「勝手に入られたくない自分だけのスペース」ということです。親であろうが、恋人であろうが、このスペースに許可無く入ることは許されません。それをすると「警戒心」を呼び起こし「身を守る行動」に繋がります。

人格を尊ぶ

このケースのように「パーソナルスペース」に無断で踏み込まれたことは、部下にしてみると「自分の人格、尊厳が軽視された」ことになってしまいます。このようなことをしてしまうと「信頼低下」が起きて、部下はリーダーであるあなたのために仕事をする意欲を失っていきます。部下を大切にしない自分本位の上司というレッテルを貼られてしまいます。

相手とどんな関係であっても、話しかける時には「相手の立場」「相手の状況」を意識することが大切です。人が今この瞬間、何を考え、どんな感情を持っているかは他人が見ても判りません。本人ですら判らないこともあるくらいです。

「相手の今」に配慮をした話しかけ方をするだけで、その後の対応は全く違ったものになります。場合によっては断られるケースもあるかもしれませんが、リーダーであるあなたへの「信頼感」は積み重なっていきます。ある一定の期間で見てみると部下の皆さんは、あなたの期待に応えるための仕事をたくさんしてくれているはずです。

許可と合意を交わす

では、どうすれば良いのか?難しいことではありません。

「◯◯君、今話しかけても大丈夫?」(相手がこちらを向いたら近づいていく)

このように、「相手の許可」を得る一言から始めて下さい。それから相手の「パーソナルスペース」に入っていく。つまり相手に近づいて行ってください。更に

「◯◯の件について3分話しをしてもいい?」

「◯人分のコピーを頼みたいのだけど?」

と具体的に相手と

「何について」

「どれくらいの時間やスタミナを割いて」

という相手の負担に関する「合意」を取って下さい。たったこれだけでも、部下はあなたと話をする準備を整える事ができますので、冷静に落ち着いて対話ができます。「安心感」を持つことができるからです。

具体的な内容を話す前に、

「相手が安心して話しに入れる準備」

をできるように配慮する、このひと手間でリーダーであるあなたの部下からの「信頼感」は高まり、部下との対話も円滑になるでしょう。安心感の中での対話となると、時には部下から

「今は、忙しいので無理です」

「その仕事は受けたくありません」

という率直なコメントが返ってくるかもしれません。でもこれは部下の本心です。そして決してリーダーへの「抵抗」「反抗」ではありません。本当にそう判断したから、正直に発言しているのです。

では、どうするか?他の人に頼むとか、自分でやるとか、タイミングをずらす、とか工夫はできるはずです。

そして日頃から全ての部下に対して「人格を尊重」した言動をしていると、

「それなら自分がやりますよ」

「私がやりましょうか」

という他の人からの嬉しい声を聞くこともあるはずです。

「許可を得てから相手の領域に入る」

話しかけ方を工夫して部下への配慮を意識して

「部下との信頼関係を高めましょう」

「今、あなたを心から受け入れてくれる部下が何人いますか?」

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